少数精鋭チームのRobo Runner活用術とは?
株式会社堀場エステック 様
今回導入事例インタビューを受けてくださった株式会社堀場エステック様は堀場製作所(HORIBA)グループの、「半導体産業を支えるベストパートナー」という位置づけで半導体製造プロセスの技術革新に貢献する幅広い製品を展開されている企業様です。
当社の提供するオンラインRPA定着支援サービス「Robo Runner」にはオンライン面談やチャット相談、限定Webinarなど様々なサポートサービスが用意されていますが、堀場エステック様にはそういったサポートサービスを主体的にご利用いただいております。その中でも興味深い点は担当者の塩谷さんは既にワークフローを問題なく作成できるレベルに到達していらっしゃること。
「ワークフロー作成ができるのにサポートが必要なの?」と疑問に思った方はこのままインタビュー内容にお進みください。導入・初期開発後もチーム内で明確なゴールをもち、その達成のために工夫を凝らして「Robo Runner」を隈なく使い倒す。そんな担当者お2人のリアルな意見に注目です。
企業紹介
京都に本社を構える株式会社堀場エステックは堀場製作所の国内グループ会社の1つ。半導体セグメントを担当しています。
流体制御・計測の高度な技術を有しており、「マスフロコントローラ」という質量流量を測定する計測機器は世界シェアNo.1を誇っています。2021年時点で従業員数537名の企業です。
担当者紹介
~入社4年後基幹システムの導入を手伝ううちにプロジェクトに参加、以降4回程の基幹システムの入れ替えすべてに参加。現在は現場業務の傍ら、マクロVBAを使用して業務改善を進めていたものが独立し今の業務改革チームに至る。~
~営業担当として入社。入社2年目より海外研修を通してシンガポール、台湾で勤務。帰国後物流部門で勤務した後に基幹システムのプロジェクトに参画。再び物流部門に戻った後、現場のストレス軽減であったり業務改善に取り組み始める。2020年より業務改革チームに参画、その一環としてRPAを使用開始。~
2020年1月に発足した業務改革チームでは、「IT技術を利用した基幹システムの生産性向上の推進」「社内全体最適の業務プロセス改革の遂行」を目標とし、メイン2名、兼任2名の少数精鋭メンバーで業務改革に取り組んでいらっしゃいます。業務改革を成し遂げるための1つのツールとしてUiPathを活用されている堀場エステック様ですが、果たしてどういった経緯で導入に至ったのでしょうか。
RPAを特別視しない姿勢が手段の目的化を防ぐ
RPA導入のきっかけと現在の稼働状況
ーーRPA導入のきっかけを教えて頂けますでしょうか。
荒川さん:RPAの導入はまず親会社である堀場製作所で始まりました。堀場製作所でRPA導入に携わっていたメンバーとは付き合いがありましたので、その時からRPAとはどんなものなのかというのは小耳に挟んでいました。我々は当時マクロなどを駆使して業務を行っていましたが、複数のアプリケーションをまたいで行う業務で発生する細々した作業を処理できる点でRPAの方が優れていると感じたため、親会社と同じUiPathを導入しました。
現在の稼働状況
ーー現在のロボットの稼働状況を教えてください。
塩谷さん:保有しているロボット35本のうち、実際に毎日稼働しているロボットは20本です。営業部門とカスタマーサポート部門の2部門で稼働しています。
荒川さん:以前までのライセンスでは「ユーザーがファイルを作成しフォルダに移すと作業が完了する」といったロボットが自動で稼働するフローが実現できず、現在Orchestratorとアンアテンデットロボットを組み合わせたライセンスに切り替え中です。
ーー導入が2020年3月なので、1年3か月で35本開発されたのですね。
塩谷さん:スピードとしてはゆっくりだったと思います。私の中でRPAはあくまでも業務効率化のための1つのツールという位置づけなので、RPAだけを特別視して押し進めてきたわけではないです。コストの面でいえば、WebやOffice関連など、VBAで対処できる範囲であればそちらで対処した方が安く済みますしね。Java系のアプリケーションで作られているものやSAPなどといったVBAや他のツールでは対処しにくい、補えない作業を中心にRPAを導入しています。
1人で悩む時間、外部に払う費用、無駄なのはどちらか
Robo Runner導入の経緯
ーーRobo Runnerを知っていただいたきっかけ・選んだ決め手は何でしょうか。
塩谷さん:RPAに詳しいメンターが並走してくれるようなサービスを求めて各種セミナーに参加していた際にRobo Runnerに出会いました。私たちの半導体業界は意思決定から施策試行までのスピードが速いのが特徴的です。そのため、弊社の文化としても「時間」はかなり厳しく捉えられていて、時間をお金で買うという感覚が根づいていました。それはRPA導入に対しても同様で、初歩的な知識を独学で積み上げていくのではなく、その時間を買う方が良いと考えていました。Robo Runnerの月額10万円以下という価格設定は、3人の開発担当者が悩む時間をお金で買うと捉えれば充分採算が取れると感じたため、荒川に提案しました。
荒川さん:導入時の状況を見て、開発担当者が安心して質問できる環境を早く整えた方が良いと感じていたため、塩谷の提案を受けて2~3日で即決しました。
Robo Runnerを導入する利点
ーーRobo Runnerを導入してみて良かったことはありますか。
塩谷さん:悩んだ時にすぐ質問できる環境があることです。解決するまで自力で悩み続けるのではなく、テーマを投げればすぐにフィードバックを頂けるのが有難いと思っています。と言いつつも実はRPA導入から時間が経過した現在、ワークフロー作成自体に詰まることは滅多にありません。
ーーそれでもサービスを継続して頂いているのは何故でしょうか。
塩谷さん:最近は投げかけた疑問に対する解決策を得るだけでなく、その周辺知識や別の視点からの提案を吸収するために主体的に活用しています。というのも先のことを見据えて社内の開発者教育に力を入れていこうと考えた際に、今悩んでいる問題点の解消方法を知るだけでは不十分だと思ったのです。Robo RunnerのWebミーティングでは今詰まっている箇所の解決に加えて、例えば1つのアクティビティに対して、他にもこういうアクティビティがあってこういう使い方も出来ますよ、といった提案が頂けるのでサービスを継続するという判断に至りました。
荒川さん:先ほど塩谷がワークフロー作成に詰まることはないと申しておりましたが、実際彼よりも知識のある人間が社内にいないのです。ですから彼が彼以上の技術を持ったRobo Runnerの担当者の方と楽しそうに会話しているのを見ると、ああ技術が磨かれているなと感じます。社内にない知見が身につき、社内のRPA担当者の成長も期待できるという価値のあるサービスだと思います。
ーー普段ご参加頂いているRobo Runner契約社限定ウェビナーに関してはいかがでしょうか。
荒川さん:30分という短い時間でタイムリーなテーマを面白く学べるので役立っています。教科書的ではない裏技を教えてくれる所も興味が湧きます。RPA担当者のチャットグループがあるのですが、セミナー終了後は感想がグループ内で飛び交っています。
塩谷さん:短時間のセミナーというと録画したものを流すパターンが多いという印象なのですが、Robo Runnerのウェビナーは毎回生で開催して頂いているので雰囲気が伝わってきて良いと思います。
自働化の流れが全社に、業務改善の上の「改革」を目指して
今後の社内展望
ーー今後のRPAの社内展開についてお聞かせいただけますか。
荒川さん:今年度より生産部門などにも導入が進み、今までの倍以上の人数がRPAによる業務改善に参画することになりました。このまま各部署のRPA担当者が部署の垣根なく全社の業務改善を進めていき、最終的には独立したチームになればいいなと思っています。
塩谷さん:RPAを含めた使えるツールはすべて活用して「社内全体の業務効率化」「作業者のストレス軽減」に努めていきたいです。RPAだけに言及するのであれば、属人化を防ぐためにツールだけでなく教育をセットで拡げていけるといいと思います。属人化は限られた人間だけが使い方を知っているせいで起こる問題だと考えているので。最終的には「業務改善」の更に上に位置づけている「業務改革」を全社で達成したいと思います。
ーーインタビューにご協力いただきありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。
堀場エステック様はRPAを特別視せず「業務改革」を進める点、「Robo Runner」のサービスからどのような知識・価値を得るかを自分たちで設定し、主体的にWebミーティングに臨む姿勢が印象的でした。今後もRPA導入の現場で活躍される方をご紹介していきます。どうぞご期待ください。