物流企業の総務部長がロボット開発できたワケ
株式会社ギオン 様
まだまだアナログな文化が根強く残る物流業界。大手企業のRPA導入は進みつつも中小企業の事例はまだ多くはありません。
今回は物流業界でRPA化を推進している株式会社ギオン総務部次長の須藤様より、オンラインRPA定着支援サービス「Robo Runner(ロボランナー)」を活用した事例として、ゼロベースからいかにRPA導入を進めたか背景についてお伺います。
「開発して終わり」ではなく中長期的な内製化を視野に入れる
ーまずはRPA導入の背景についてお聞かせください。
須藤:当社は1965年の創業以来、循環型総合物流として物を人々に届けるだけではなく、廃品回収やリサイクルなどの中間処理事業も行っています。どちらもレガシーな業界なので「人の手で作業する」という慣習が根強く残っているんです。
ーどちらもDX化が意識され始めているものの、昔の商慣習が強くなかなか着手できていないと業界の方から伺ったことがあります。
須藤:その通りです。また、それは当社にも当てはまります。もちろん物流は安全性を考慮すべきところとして「人が行うべき業務」もありますが、パターン化されている単純作業など「人がやらなくても良い業務」も多くあります。
「やる・やらない」を精査していき、デジタル化を進め、本来人が介在する事で価値を発揮する業務の効率や質を高めたいと思ったんです。そうした背景もあり、RPAセミナーを探していたタイミングでPeaceful Morning株式会社(以下、PFM)のwebセミナーに参加しました。
当社としてもRPA導入の取り組みは成功させたい想いが強く、セミナーでRobo Runnerのサービスを聞いた時は「これだ」と魅力的に感じたのを覚えています。
ーRobo Runnerは須藤さんからみてどのような点が魅力的でしたか?
須藤:そうですね。まずRPA導入のGoalとして内製化を視野に入れていました。そのため外部に開発を委託して終わり、ではなく自社内で発展させられるスキームを望んでいたんですね。Robo Runnerはあくまでもサポーターとして、RPA開発のサポートを行うサービスで、当社のニーズと合致していた点がありました。
ー実際RPAユーザーからそのような声も聞き、内製化サポートにフォーカスしたサービスとして生まれました。企業のご担当者様の工数をいただく分、いつでもチャットで聞けるサポートや毎週の定期メンタリングなど、コミュニケーションを充実させています。
須藤:そうそう、常にメンターの方とコミュニケーションが取れる点も魅力的でした。
Robo Runnerを聞いて純粋に「あ、自分たちでもやってみたら案外できてしまいそうだな」と感じられたのが導入のきっかけですね(笑)
企業として業務自動化を本気で推し進めていくには、ナレッジを内部に溜めること、また担当者としてもその覚悟を持つことが非常に重要です。
初めてのロボットが生んだものは「100万円以上のコスト削減」と「自動化の目線」
ー最初に開発されたロボットが社内で大好評だったと伺っていますが、どんなロボットを開発されましたか?
須藤:経理の請求書処理に関する業務です。最初なのでイメージがつきやすく効果を定量的に判断しやすい業務を軸に選定していました。そこでルーティンワークが多い社内バックオフィス部門にヒアリングしたところ経理業務で困っている業務があり決めました。
ーバックオフィス業務はRPAでもポピュラーな活用事例ですね、具体的な業務内容についてお聞きしても良いですか?
須藤:当社では国内にある69もの拠点から本社に向けて請求書とその詳細資料が送られる仕組みとなっています。本社の経理部では逐一送られてくるそれら書類を印刷して管理する業務があり、コストとしても精神的にも大きな負担となっていました。
実は過去にそれらの状況を改善しようと経理部主導でシステム開発を検討したことがあるんですが、100万円を超える見積もりが出てきてしまい断念する結果となったんですよね。
ワークフローシステムに送られてきた様々な形式の書類を、自動的に分類して印刷指示を出す、という単純な作業ではあるものの、自動化された効果はとても大きいです。
ー実質100万円以上の価値ある業務削減に繋がったということですね!須藤様にとっては初めてのRPA開発かと思いますが、ご感想としてはいかがでしたか?
須藤:想像していたよりも苦戦しましたね(笑)UiPathが公開している学習ツールを利用しながら開発を進めましたが、元々エンジニア畑の出身でもないので不慣れな部分のキャッチアップには時間がかかりました。
開発期間内に終えられたのはRobo Runnerによるサポートの影響が強いです。分からない時にはすぐにチャットして、毎週のwebミーティングでは軌道修正をしつつ提案をしてもらえるので、常に相談できる環境ですね。
ー開発したロボットについて、現場の反応はいかがでしたか?
須藤:とても評判が良かったです。当初の想定通り、「業務の実工数が削減される」「ミスできない単純作業がなくなり精神的負担がなくなる」という2つの効果がみられ、現場担当の方もとても喜んでいました。
また、今回の経理業務を皮切りとして今後社内でも自動化を進めていく良いきっかけになりました。社内でもRPAに対する共通認識を持つことができ、目標としていた「デジタル化を進め、本来人が介在する事で価値を発揮する業務の効率や質を高める」状態に一歩前進することができたと言えます。
Robo Runnerがあれば、企業のRPA導入は一気に加速する
ーRPA推進について、今後の展望をお聞かせいただけますか
須藤:当初にお話しした通り物流業界はまだまだアナログな手法が浸透している業界です。物流の管理面ではシステム化が進行している領域もありますが、実際の現場についてはまだ人的リソースを全面に割いているケースもあります。
そのため今後は全社的にDX化を進めていきつつ、自動化できる業務はRobo Runnerのサポートをフル活用して自動化を進めていきます。
ー情報システム部などではなく、総務部である須藤様が先頭に立って進められている点が印象的です。何かしら背景があってのことですか?
須藤:そうですね。個人的には推進・開発するための専門部署があるより、各部門にそれぞれRPAの知見を持った人がいて、業務改革を進める方が良いと考えています。私がそうであった様に、それぞれの担当者が、実務に触れていることで、より効果的な開発ができると思うんですね。
ーとても良いと思います!現場のことは誰よりも現場で働いている方が知っています。業務フローやより効果的な方法、自動化に対する熱量という意味でも、各部署にそれぞれ担当者がいるのは理想的な環境ですね。
須藤:その通りです。これらも全社的にRPAに関する認知が広がり、業務自動化についての目線合わせができたからこそ進めていけると感じています。今後は各部署の指揮をとるメンバーが率先していければパワフルにRPA化を進めていけると思います。
とは言えこれらは簡単なことではなく、実現にはRobo Runnerのような学習スキームが必要不可欠です。各部署でメンターのサポートを受けつつロボット開発を行うことで、中長期的には組織全体としてRPAを習得した状態を目指します。
Robo Runnerはこれからもフル活用させていただくので、是非ともよろしくお願いします。
ーありがとうございました!
いかがでしたか?
物流業界というアナログな文化がまだ残る業界でのRPA化に奮闘される株式会社ギオンの須藤様をご紹介しました。
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